飼い主に見捨てられ、生命力を失った犬の壮絶物語

3月 03, 2019 by apost team

飼い主からどのような扱いを受けようとも、愛情たっぷりに接するのが犬という動物なのかもしれない。カリフォルニアに住む一家が引越しを行い、そこに残されたのは、ただ一匹のラブラドール・レトリバー。しかし、彼は来る日も来る日も、寝そべりながら汚れた体で飼い主の帰りを待ち続けた。

後に、ラリーと名付けられた彼は、ゴミに捨てられたかのような生活を送り、空腹と戦いながらも、飼い主の帰りを待ち続けた。ある日、弱体化していた彼を見つけた宅配業社の運転手は、この状況に目も潰れない心情であった。同時に、決して衛生的とは言えない環境にいながら、彼を自らの家庭で保護できない事実に心を痛めた。

そこで運転手である彼女は、心温まる行動に出た。ラリーの写真を撮影し専用のインスタグラムアカウント、 oldboy909 を作成したのだ。毎日欠かすことなく写真を投稿したことで、希望の光となる、ロサンゼルスに拠点を置く動物救助団体 Love Leo Rescue の目に留まった。

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すると、Love Leo Rescueの代表を務めるサーシャ・アベルソン氏が、地元レスキューチームにコンタクトを取り、ラリーをロサンゼルスへと連れてくるよう段取りをつけたのだ。震えるラリーを車へと移動させ、ロサンゼルスまで二時間と車を走らせた。

Love Leo Rescueに無事に到着するも、彼の腹部が膨らんでいる様子を職員が発見したのだ。まともな食事も与えられないまま、数ヶ月と苦境を耐え凌いだラリーだったが、 低体重と、健康状態には暗黙が漂っていた。

体毛を失い、正常に歩くことのでいない局面にいたラリー。獣医のもとで診察を受けると、ラリーはクッシング病と診断された。比較的老犬によく見られる病気の一つで、下垂体の非がん性腫瘍が主な原因とされる。

犬に起こるクッシング病の主な症状として、異常な喉の渇き、空腹、不自然な行動、排尿の頻度増加、脱毛、速い呼吸、腹部膨張、肩部や首部に脂肪がつくなどが挙げられる。

およそ8歳と推定されたラリーだったが、健康状態から判断し、高いリスクを伴う手術は回避すべきとの判断が下された。ラリーは生涯、薬物治療を強いられる結果となった。

その後、薬物治療に慣れさせるため45日間を動物病院で過ごした。当初は、安定しない精神状態に、他の犬を攻撃するような言動も見られた。クッシング病により、本来持つ性格を一時的に失うこともあるのだ。

薬物治療に慣れ始めたことで、感情の起伏の激しかったラリーの状態も徐々に回復傾向を辿った。より愛情表現豊かになり、他の犬たちとも遊び始める光景が増えていった。デイケア施設へと場所を移すと、屋外で時間を過ごせるようになり、他の動物と接する環境にもうまく順応した。

Love Leo Rescueの職員も、ラリーの回復ぶりには大変驚いた様子だった。数多くの苦難を経験してきたラリーだが、もう一度心を開くことができるまでに、彼の気持ちは暖かいもので包まれていた。そしてもう一つの課題:ラリーの帰る場所を見つけること。

一ヶ月に要するラリーの薬物治療費2万円。慢性的な病気を持つ犬を、快く引き受けたいという家庭も多くはない。また、慣れた環境を離れることで起こる分離不安により、度々家庭内で問題を起こすことも珍しくなかった。

分離不安が大きな障害となり、過去3度に渡り、里親からは受け入れ継続を拒まれることもあった。見捨てられたラリーには何の罪もない。誰もラリーに責任を押し付けるべきでもない。ただ、無償の愛で彼の心の傷を癒す飼い主が必要だったのだ。

ラリーの引き取りを検討していた里親候補もいたが、最終的には実現されなかった。しかし、2018年12月6日、ついに家族と呼べる最高の飼い主に巡り会えた。毎日のように散歩に付き合い、お腹や、耳の裏側を愛情いっぱいに掻いてくれる家族に、ラリーの心の灯がともる瞬間がようやく訪れた。そして何よりも大切なことは、彼らは決してラリーを見捨てたりしないということだ。動物たちとのふれあいを通して、私たちにも学べることがたくさんあるに違いない。

あなたの心にも触れる、素敵な物語だったのではないでしょうか。この感動を是非ご家族、友人にもシェアしてください。また、動物救助団体であるLove Leo Rescueは、年間を通して数多くの犬の心に寄り添い、命を救っています。支援の手を差し伸べていただけると幸いです。 ここをクリック.